親も子ものびのび過ごせる遊び場
地域の人に育てられた子ども時代
名前は、星野洸太。生まれは宇都宮ですけど、1、2歳で隣の高根沢町に行ったのでほぼ記憶なしですね。小さいとき、全然覚えてないですよ。みんなが好きなものが好きだったとか、その程度だったと思いますね。
放課後学童ってあるじゃないですか。小2のときに同じ敷地に児童館が新しくできて、その中に学童が移ったんですね。そのときの児童館の先生との出会いが、今の自分を作ってるかな。学童には3年まで行ってましたけど、そのあとも児童館に通っていて、児童館の先生にすごくよくしてもらって。両親だけじゃなくて、地域の人に育ててもらったっていう感覚が後々出てくるようになって。中学校に行ってからかな、ボランティアさせてもらったり、その頃から子どもと関わるってことはすごく好きだったんですよね。
中学校は宇都宮市の中学校に。当時、バドミントンがやりたくて、高根沢にはバドミントン部がないんですよ。中学校まで電車で通ってたという、うん。楽しかったですね。ボランティアは個人的に。平日であれば、学童の子どもと遊んだり、行事があれば手伝いさせてもらったり。他にそんな中学生はいないですね。でも、わたしはすごく好きだったんですね、そこが。
地域の人に育ててもらったっていう感覚は、高校のときには思ってたな。っていうのも、高校はまた別のところに行くんですけど、これも児童館の先生から教えてもらったんです。高校生たちが集まるボランティアグループがあったんですね。星野くん、それやったらいいんじゃない、って。そこから関わる人が多くなって、高校生と大人っていう立場でいろんな関わりができてきて。
地方創生との出会い
大学進学で、大正大学の地域創生学部に行くわけですけど。高3の夏休みの最終日に、児童館の先生に連れて行ってもらったコミュニティスペースで、初めて地方創生っていう言葉に触れて、これからは地方創生だなと思ってね。ネットで「大学 地方創生」って調べたら、大正大学が出てきて。オープンキャンパスで出会った人と話して、だったらぜひうち来いって。その人は、今でもメンターとなるような人なんですけど。だから全部人間関係ですよね、決めてきたのは。
大学入学は、2016年になりますね。大学のときは、すごい突っ走ってましたね。1期生で、地方創生だー!みたいな感じのこと言って。何か自分でやらなきゃいけないっていう焦りもありましたけど、もっといろんなことしたいのにみたいな感じで失敗したこともありますし。
学部としての目玉の授業は、40日間の地域実習ですね。1年と3年は地方、2年は東京でフィールドワークをするんですよ。わたしは1年と3年のときに宮城県の南三陸町に行き。その出会いが大きかったですかね。宮城で仕事もらってるのは、そのつながりですし。
どの子どもにも豊かな体験を
4年生は卒論があって、内容は障がい児の余暇支援活動にどういう地域の人が関わってるのかっていうのを事例調査しましたね。ちょっと逆戻りするんですけど、大学生のとき、さっき言った児童館の中に併設されている障がいのある子の支援施設でアルバイトが始まるんですね。今でいう放課後等学童サービスみたいな障がいのある子が放課後来るようなところで。子どものときは、そういう子いるな、くらいで正直意識してなかったんですけど。児童館なんで、親御さんとちっちゃい子どもたちがいて、学童の小学校低学年から中学年の子がいて、障がいのある人たちが同じ空間で遊んでる姿っていうのを見て、障がいのある子どもでも他の子と変わらないんだな、っていう大きな発見があったんですね。一緒に遊んで欲しいとか、抱っこして欲しいとか、根っこの部分はほんとに変わらないんだなって。
子どもたちの姿から気づかされたときに、わたしなりに恩返しをしたかったみたいなのもあるんですよね。そして、自分が児童館の先生や地域の大人にしてもらったことを、これからの子たちにも同じ経験をさせてあげたいなって。それが、さんビズの事業でも書いたような遊び場づくり、プレーパーク、その他今やってること全てにつながる。障がいがあってもなくても、遊びを通じて交流をする体験場を作りたい。それが今の子どもたちが大人になったときに、生きやすい社会につながるんじゃないかな、ってところに行きついたんですよね。
長岡でのさんビズとの出会い
長岡に来たのは、たまたまなんです。将来まちづくりをしたい、子どものことをやりたいって言ってるにも関わらず、何の専門性もないなってのがあって、大学院は行きたかったんですよ。4年生の夏前後かな、地域おこし協力隊として地域活動をしながら大学院生として研究もしていくイノベーター育成プログラムを長岡造形大学が作るからって、大正大学に案内があったんですよ。そう言えば、大学院に行きたいと言ってるやつがいる。そういうところもあるぞ、受けてみたらいいんじゃないか、ってね。
さんビズを知ったのは、長岡に4月から行くことになったんですけど、会っといた方がいい人を教えてください、って大学の先生に連絡をして。榎本さんにも、6月に会ってるじゃないですか。修士1年のときに受けましたね。協力隊としては、障がい児者の社会参画の促進みたいのを銘打ってやっていた。でもさんビズでは、心の中ではありつつ、言語化できてなかった部分もあると思うんです。やりたいんですよね、ぐらいで収めてた部分もあるかもしれないです。
さんビズ受けてみて。まあ、書いた通りのことやってるなって。遊びのコンサルをやりたい、みたいな。徐々に地域ともね、接点を持てるようになってきたり、今の会社も休みの日にやるなら好きなことやれば、っていう感じなので。本業としてやってないので、お声がかかったらなるべく断らないようにしてるって感じです。
おもちゃのひろばとかプレーパークっていうと、イメージ沸かないところがあると思います。地域のママさんサークルが呼んでくれて、情報発信してくれれば、わたしの認知も広がればいいかなって。あそびばは、大小含めると2ヶ月にいっぺん以上はやってると思います。
さんビズを受けた当時は、すごくふわっとしてたんですけど、自分のやりたいことを正直に書いてたな、月3万円稼ぐために自分に嘘ついてたってこともなかったな、って気づきが。で、実際に個人事業主になってみて、こんなに帳簿って大変なの、とか。起業してやらなきゃならないものが100あるとしたら、さんビズでは全部を100歩進められないけど、2、3歩ずつ進めたからこそ、ヤバいっていうのがなかった。ああいうこともさんビズで考えてたな、って。全く未知のことがそこまで多くはなかったかな。
講座の中で印象に残ってるのは、月3万円稼ぐためには、っていうお金の計算でヒーヒー言ってたような記憶しか。でも、今考えてみると、月3万円が全ての収入である必要はないっていうか。月3万円で自分はどう生活していくかみたいなところを考えがちだったのが、今になってみると、それは収入とか自己実現のための一つの手段としてであって、今のわたしみたいに働きながらさんビズで書いたようなことをやれてる。他にもやれることっていっぱいあるよな、って。
受講中の様子
遊びの場の主役は子どもたち
プレーパークが始まって今年で3年目になるんですけど、これからは次を担える人の育成を地域の中でしていきたいなって。わたしも他の活動の幅が広がってくれば、どうしてもそこにかけられる時間がないので。おもちゃは、さんビズの発表会用に初めて買ったんですけど、もっと欲しいおもちゃがいっぱいあるので手に入れたいです。将来の夢の一つは、玩具屋を作ることなんですね。でも、玩具屋だけで稼ぐっていうわけではなくて、おもちゃのひろばの先に玩具屋があるっていう位置づけでいるんですけど。障がいのあるなしなく、色んなおもちゃに触れてもらいたいですし、その遊びの中でおうちの人がほっと息がつける時間を作りたいなって。おもちゃのひろばで子どもたちが遊んでて、他の親と話せたり、ふーってできる時間。安心して子どもたちを好きに遊ばせられる環境ってないから、ありがたいって言われましたね。
子どもたちにおもちゃに触れて色んな経験をして欲しいっていうところがあるので、場所のコンセプトを設けてないっていうか。もちろん安全面は考えて環境構成をやるんですけど、こっちがきっちり作りすぎない。場の流れの変化っていうのは、子どもたちが自由に作っていくもんだって思うんです。だから、きっとみんな居心地のいい空間に持っていけてるのかな、親も子どもも。
つながりのある豊かな社会に
ふわっとしてますけど、みんなに遊び心を届けてる事業、かな。遊び心を忘れない、遊び溢れる。遊び心って重要だと思います。子ども以上に遊んでますもん。子ども以上にふざけるし、子ども以上に遊ぶからこそ場も和むし、子どもも本気で遊べるし。親もそれに釣られて、ホッとしたりワクワクしたり。
おもちゃも壊れたら壊れたで、なくなったらなくなったでいいと思ってるんですよ。それがおもちゃの寿命だと思ってるし。だから、わたしは好きに子どもたちが遊べばいいと思うんです。むしろ、子どもたちの経験の方がね、価値には代えられないですからね。そのときのその感覚はお金を出しても買えないし、戻ることはできないし。
将来、子どもたちの支援をしていくなかで、大人の側に地域の人脈が少ないっていうのが問題だと思ってて。障がいのある子どもたちが、就労って形で地域に出ていくわけで、わたしたちが持ってる人脈で地域の人たちとつながれば、その子にとっても選択肢が広がるわけで。わたしの人脈で、こことここをつなげられないか、それが子どもたちのためにならないかな、と。そうやって子どもを誰かが見ててくれる。サポートしてくれる。わたしがそういう役割を担っているのかな。まだしっくりはきてないんですけどね。
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