①~一期生・小林新さん~

柏崎駅から小千谷方面へ車で15分ほど走ると、「柏崎・夢の森公園」の茶色い建物が見えてくる。
公園には、森や水辺をはじめとした里山環境と、公園内に生息する昆虫や生物について学べたり利用団体のための研修室などがあるエコハウスが整備されている。

さんビズ一期生の受講生である小林新さんは、この公園で活動している団体「青空くるくる実行委員会」のメンバーの一人である。

この実行員会、実は柏崎市の主婦たちが中心メンバーとなっているのだが、なぜ男性である小林さんがそのメンバーとなったのか。
その経緯と共に、実行委員会が実現を目指す、ある世界について紹介する。

元々柏崎市出身の小林さん。進学を機に上京したが、実家の酒屋を継ぐために6年ほどで柏崎市に戻ってきた。しかし実際に酒屋の経営に携わる中で一個人での酒屋経営に限界を感じ、サラリーマンへと転職した。

おぐに森林公園の支配人、長岡市の商社での仕事を経て、2011年6月に小林さんは独立開業を果たす。事業は、微生物の活動によって排泄物を分解するバイオトイレと、木質ペレットを燃料とするペレットストーブを商品として取り扱う『バイオハウス』だ。

「この他にももう1つ事業の柱が欲しい」と考えていた小林さんに運命の出会いが訪れた。それが、夢の森公園で偶然開催された「これからの時代の働き方・暮らし方 月3万円ビジネス&ナリワイづくり講座(略・ナリワイづくり)」だった。

ちなみにこの講座、少額のビジネスをいくつか回しながら、それと共に人とのつながりを育み、自分自身に合ったペースで生きていこうというものである。後に長岡市で「さんビズ」として(公財)山の暮らし再生機構の主催で連続講座を行うことになるが、小林さんも受講しさんビズ一期生となった。

さんビズ受講中の小林さん

小林さんが柏崎市でナリワイづくりに出会った頃、ある女性から1つの企画が夢の森公園に提案された。
それは、結婚を機に柏崎市に移り住んだ山田智代さんによる「子どもたちに思いきり泥遊びをさせたい。柏崎の自然で遊ぶ親子の姿を増やしたい。それを夢の森公園で実現したい。」という主旨の提案である。

公園のスタッフがホームページでメンバー募集を掲載し、この想いに共感した小林さんと、小林さんのナリワイづくり仲間が集まった。それが「青空くるくる実行委員会」のコアメンバーとなった。

2015年9月に、夢の森公園でメンバーそれぞれの得意分野を活かし、この想いを形にできる出店型の自主イベント「青空くるくる」を開催した。
子どもたちの外遊び・子育て相談・リラクゼーションを目的に、メンバーのナリワイ実践の場としても活用した。
悪天候にも関わらず来場者120名を呼び込んだイベントとなったが、開催経費は15店舗の出店料と売上などからすべてまかなった。

その後、青空くるくるは季節ごとに定期的に開催している。出店数は回によって若干の差があるが来場者は伸び続け、家族で自然を楽しんだり子育てに関する様々なことを共有したりできる場として成長し続けている。

次回のイベントは「ゆめ森くるくる」として、9/23(土)・24(日)に行われる。自然と遊べる内容の他に、飲食ブース、ワークショップブースなど様々なブースがあり、家族みんなで楽しめる内容となっている。

2017年5月13・14日に開催した「ゆめ森くるくる」の終了後にメンバーで。前列一番右が山田さん。

現在はイベントを中心に活動している青空くるくる実行委員会だが、活動目標はその先にある。青空くるくる実行委員会を立ち上げるきっかけとなった、山田さんの想いのさらなる実現だ。

「柏崎市の自然の中で遊んでいる家族の姿をもっと当たり前にしたい。」

自然と遊べる場を増やしていくこと。それは公園での活動の枠を超えることも意味している。そして小林さんの中で、それが「くるくるハウス」という活動拠点のとして具体的なイメージとなっている。

「今の社会は子どもの遊び場にしろ人々がコミュニケーションを取る場にしろ、色々な“場所”がなくなってきている。なくなっているなら新しく増やしていけばいいと思ってるんです。
いつか青空くるくる実行委員会で活動拠点となる『くるくるハウス』を持ち、そこで、人とのつながりをつくっていく手段のひとつして『さんビズ』を実践していく。そうして実践する人を応援する場をこれからどんどん柏崎市につくっていきたいと考えています。」

と小林さんは語る。

青空くるくるのイベントでお餅のワッフル「モッフル」を販売する小林さん。

ビジネスというと硬いイメージが付きがちだが、さんビズは少し違う。
「人とつながること」、「ゆったりと、自分に合った働き方を見つけ実践していくこと」。
それがさんビズの持つイメージであり、目指すところだ。

小林さんが青空くるくる実行委員会の活動を通して柏崎市で生んでいくこれからの「さんビズ」に、胸が高鳴った。

(原稿・撮影:さんビズ二期生 尾崎美幸)

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  関  連  情  報
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2017年9月23日(土)、24日(日)に開催される「ゆめ森くるくる」の概要については、
青空くるくる実行委員会のホームページをご覧ください。

青空くるくる
新潟県柏崎市で開催している親子野外イベント「青空くるくる」のイベントサイトです。
チラシをクリックすると、拡大表示されます。

小林さんは、柏崎市で「さんビズ入門セミナー」の企画運営に取り組みます。
こちらは現在、受講生募集中!
みなさんのご参加、お問い合わせをお待ちしております。

チラシをクリックすると、拡大表示されます。

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